FC2ブログ

ファールと罰則 ; その2


ジダンとマセラッティ。
「マルセイユルーレット」などジダンを修飾する言葉はいくらでもあり、それは彼の美しいプレーを讃えたものが多いですが、マセラッティは一つだけ。
それは「ジダンに頭突きをされた男」です。


2018年05月28日、zinedine-zidane-marco-materazzi_15ww115bfhs8p1ki4847j1y417_GOALTMよりa
※ GOALTMより


2006年W杯ドイツ大会決勝フランスvsイタリアのこのシーンは、サッカーに興味がない人でも知っている話ではないかと思います。
ジダンは当然レッドカードで退場となりました。

この時点ですでに数々のタイトルを手に入れ、スーパースターであったジダンに対し「暴力をふるうなんて許せない選手だ。」という声はなく、「あの冷静なジダンにも、こんなヤンチャな一面があったんだね。」というエピソードの一つになりました。
また彼はこの大会で引退することになっていたので、出場停止などの処分も事実上なしでした。

逆にマセラッティはというと。
この大会でイタリア優勝のMVP的な活躍をした世界レベルの選手であるにもかかわらず、人の印象はジダンに頭突きされた選手という記憶だけにとどまります。
それどころか、相手の家族のことを汚い言葉で表現し、挑発を繰り返した品性に乏しいヤツと、陰口をたたかれる悪役になっています。
この試合では、それこそジダンをパーフェクトに抑え込んだわけですが、そんなことを知っているのはイタリア人の一部だけです。
人に憎まれることはあっても、人気が出ることはなし。
相手が悪かったですね。

語られませんでしたが、ジダンの行動に一番腹を立てたのはフランスのドメネク監督です。
チームの中核選手であるにもかかわらず、相手チームの安っぽい挑発に乗り、予定外の戦力喪失をしました。
結果は敗戦、敵であるマセラッティの作戦成功。
「何やってんじゃ!」と思ったことでしょうね。

そう、サッカーではこのようにレッドカードやイエローカードをもらったことで怒っているのは、たいていファールをした選手の監督です。
許せない行動だと怒っているのではなく、「次の試合のことを考えろ。」「退場や出場停止の戦力喪失を防ぐために、少しぐらいのことは辛抱しろ。」と怒っているのです。

このようなことは、現在のサッカーで乱闘など過度の反則プレーを防ぐいいはたらきになっています。
カードや出場停止などのルールが、有効に機能している表れです。
今やこのルールがなければ、試合を進めることも選手を守ることもできないと思います。




今回問題となっている大学アメフトのファールの場合、審判のルール適用と現場での判断には問題がなかったようです。
アメフトのルールを調べると、退場に関しては今のサッカーのルールの方が厳しいようです。
もともとのルーツは同じ競技ですが、枝分かれしてそれぞれ別々に必要なルールを付け加えてきたので、今では全然違う競技になっています。
今でもサッカーをフットボールということがありますが、ややこしくなるのでそれは置いといて…。

サッカー、ラグビー、アメリカンフットボールの共通のルーツである古典型フットボールではファールや乱闘の歴史が根深く、それで死亡したり大ケガを負った人の数は相当いると思います。
サッカーのルールには「相手を殴ってはいけない。」「相手を蹴ってはいけない。」という条項がありますが、そういう当たり前といえるルールができた背景には、この競技がスポーツという概念ができる以前から行われていたことを表しています。
地域対地域のお祭りのようなものから変化してきたので、フィールドやゴールの大きさを明文化したときにこれらのことも項を起こして示しておく必要があったのでしょう。
つまり、それ以前はそういうことがしょっちゅう起こっていて、それはそれで勝敗とは別だったということです。

この3つの中で、一番あとでルールができたのがアメフトです。
主にラグビーのルールを、合理的で自分たちアメリカ人の好みに合うように改編しました。
魅力はズバリ、接触プレーです。
ラグビーと比べてどちらが接触が多いかと聞かれたら正確なことはわかりませんが、ヘルメットや大型の肩パットを付けた戦闘的な服装は、スポーツになる前から行われていた乱闘型フットボールのエキスを一番引き継いでいるのではないかという魅力があります。




アメリカでは、今回のような戦術的な違法タックルの前例はなかったのでしょうか。
人気No.1スポーツで、興行スポーツとしてプロであるNFLだけでなく大学でも大金が動きます。
すそ野も日本よりも広いでしょうから、いろんな地域や年齢層、そしていろんなレフェリングレベルの中で試合が行われているのではないかと思います。
ということは、当然もめごともたくさんあるはずです。

と思って、日本語サイトの範囲でネットを調べてみましたが、ピンとくるものは出てきませんでした。
本場アメリカの大学の日本人コーチがテレビに出ていましたが、そういうことははっきりとわかりませんでした。
明石家さんまさんは、ああいうタックルを受けたらアメリカでは乱闘になるだろうと言っていましたが、少し当たっているような感じもします。

アメリカ人には「自分の身は自分で守る。」という考え方があり、ガン所有の問題でよく耳にします。
このへんのニュアンスは日本人にはわかりにくいところだから、関係があるかなとか思っています。


<つづく>






スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Rip

Author:Rip
性別 男
年齢 戦後生まれ
住所 岸和田市
趣味 バイクほか…
長所 楽しく酒が飲める
短所 判断が自分の好みにかたよる

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
シンプルアーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR