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ビデオアシスタントレフェリー(VAR)はよかったんじゃないか。


ロシアW杯はフランスが優勝し、その幕を閉じました。
フランスは豊富な選手層で当初より優勝候補でしたが、戦術も意識統一されていて、試合が進むにつれてチームの調子もどんどん上がっていきました。
優勝候補が優勝するのは意外と難しいことですが、デシャン監督にとっては采配がすべて成功した会心の大会だったのではないでしょうか。


2018年07月12日、var_TheLAZIALI_COM_a
※ The LAZIALI COMより

このW杯から採用されたルールの一つがビデオアシスタントレフェリー(VAR)です。
映像を使って主審のレフェリングを補助する方法ですが、とてもよかったと思っています。
長所や欠点はいろいろなところで説明されているので、ここではジャンニ・インファンティーノFIFA会長はこんなことを考えたのではないかという私の想像を交え、考えを書きたいと思います。




今から50年以上前、ペレの時代はファールを適宜使うことによって、守備側の選手が得をする時代だったといえます。
警告や退場のルールも口頭で行われ、1970年まではカードもありませんでした。
しかし、魅力的な選手がファールを受けることによってケガをし、出場不可能になっていくことはファンにとって面白くないことです。
だんだんとファールに対する処分が厳しくなり、結果として少しずつ攻撃者有利の方向へ変わっていきました。

マラドーナは82年のスペイン大会で執拗なファールに腹を立て、最後に相手選手を蹴って退場になりますが、86年メキシコ大会ではそんな馬鹿なことはしなくなりました。
両手を大きく広げ、天を仰いで、ときには十字を切ったりしていました。
私はこの姿を見て「マラドーナはレフェリーに文句を言っていない。神様に文句を言ってるんだ。」と思いました。
この姿はそのたびにTV映像で映されるので、まるで不当なファールに耐え、黙々とプレーをしているような印象を見ている人に与えたと思います。
見た目の印象で、攻撃側の選手が有利になる状況の始まりだったと思います。
マラドーナに何らかの形で接触すると、すぐにファールになるという状況が生まれました。
彼はそれを狙っていたのかもしれません。




FWに限らず、サッカー選手にはファールを受けたときにその衝撃を少しでも和らげるために、受け身のような身のこなしをすることが必要です。
特にドリブルの得意な攻撃的選手はファールを受ける可能性が高いので、相手との接触を予測できるようになってきます。
このへんから悪い意味で発達していくのが、ファールを受け、FKときにはPKを得ることを目的としたシミュレーションプレーです。
トップクラスのレフェリーの技術は、ますます高度なものが要求されるようになりました。

そして、今やこういうことは、トップクラスのサッカー選手ならある程度身に着けておかなければならないことになっています。
また、相手にこういうことをされてFKやPKを与えないようにすることも、特に守備側の選手には必要です。
シミュレーションには全くの演技に近い低級なものから、チャージしてくる相手のプレーを予測してそれをファールチャージに見せる巧妙なものまでありますが、これがサッカー選手がうまくなるために身に付けなければならない技術とは思いたくありません。
特に子どもたちにもヒーローである選手が、実はこんなプレーがうまかったなんて、何とはなしに興ざめな話です。

以前に紹介した3人の攻撃的な選手の中ではネイマールが一番ひどく、次にC・ロナウドで、メッシが一番まともだと思います。
これはこのW杯に限らず、ここ数年間の傾向です。


2018年07月12日、video-assistant-refereeing-var-room-2018-fifa-world-cup-russia_Inside Business_a
※ Inside Businessより

今回W杯で採用されたVARはドイツやイタリアではすでに試験導入が行われていて、どうやら時代の趨勢であるようです。
イングランドやスペインなど、ヨーロッパの主要リーグでも採用が検討されていて、ここ2~3年の間でポピュラーな方法になるのではないかと思います。

度を越えたシミュレーションがあっても、現実的にはレフェリーが1回きりのリアルタイムでそれを裁ききれない以上、こういうプレーはいつまでたってもなくなることはありません。
だからといって、すべての場所、年代のサッカーの試合でVARを導入するなんてことは、金銭的な面からいって到底できることではありません。
しかし一定のレベルである、例えば欧州チャンピオンズリーグ、大金の動くヨーロッパの主要リーグなら可能です。

現在、世界のすべてのサッカー選手は、このような大会、リーグで活躍できるプレーヤーになることを目標にしています。
だから、これらトップクラスの試合でシミュレーションプレーを使えないものにすることは、大きな効果があります。
汚いプレーが末端のサッカーでは通じても、トップクラスでは通用しないということになれば、上を目指す選手の考え方は大きく変わり、その波及効果で全体がいい方向に進む気がします。
シミュレーションを「田舎でしか通用しない姑息な技術」にしてしまえばいいのです。




FIFAには、「21世紀においても、サッカーが世界一のスポーツとして存在する」という大きな目標と責任があります。
そのためには、魅力的な選手が正々堂々、お互いの素晴らしいプレーをぶつけ合う魅力的な試合の姿を提供し続けなければいけません。
正当なプレーが、汚いプレーによって妨害されるスポーツではいけません。

そういう意味では、VARはFIFAの一つの提案だったと思いますが、すばらしい方向性ではないかと思います。
役割は「正当なプレーの保護」です。






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