ライダーはなぜクルマを抜くのか?


バイクに乗ると性格が出るといいます。
私は、そう凶暴になる方ではないと自分では思っていますが、偏執になる部分がないわけではありません。
それは、「クルマの後ろを走るのはキライ。」という点に起因しています。
道が混んでいるときや、もともとツーリングに向いていない都市部の幹線道路では、そんなことを思ってもどうしようもないので大人しく走っていますが、郊外で道路状況が許されるところに行くと何とか前のクルマを追い越そうとあがく方です。




やっぱりツーリングなんだから、前の視界は開けている方が気持ちがいい。
前をトロトロ走るクルマは、ただの障害物の箱に見えてしまう。
かといって、抜いたあとブッちぎりでクルマを置き去りにして、ハイスピードでどこまでも行くわけではありません。
抜いたクルマの走行には邪魔にならないように気を付けて、徐々にその間隔が開いていくぐらいのスピードで走ります。

これには例外があり、交通取り締まりに合うリスクが多そうな道では、前を走るクルマはいい「魔除け」になるのでそれを利用させてもらうことにしています。
まあこれ、誰でもがやっていることですよね。
どの道のどのへんで取り締まりが多いかなんてわかりませんが、ここは経験と嗅覚に頼るほかない。




それで、追い越しを繰り返していると、たまに気分が乗ってくるときがあります。
リズムに乗ってうまく抜けると、次々いこうと思ってしまいます。
そんなときは、ちょっと危ないときがあるかもしれませんね。
でも、もともと怖がりな性格、自分が危ないと思ったときは辛抱し、イチかバチかは絶対にしていないつもりです。

ただ、こんなことは本人が言ってもあんまり意味がないんだよなあ。
人から見た自分というのが、正しい評価だとは思います。




愛車のMT-01は、クルマの追い抜きにはまことにもって秀でたバイクといわざるを得ません。
比較的低回転で発生する強烈なトルク(150.3N・m/3,750rpm)≒15.3kgf・mで、通常の速度域ならあっという間にクルマを置き去りにします。
感じをカタカナで書くと、ギューンは要らない、グッで十分。
右手をちょっと動かすだけ。

・・・かといって、あんまり調子に乗るのはいけないですね。
気を付けます。






スリ抜けしないと、あとで結果が悪い


バイクで信号待ちをするときに、路側をスルスルと抜けていくことがありますね。
これには、よくそれをする人、あまりしない人の違いがあります。
私は、平均すればよくしている方だと自分では思っています。

しかしこれは、スリ抜けをするかどうかの基準自体が、同じ人でもそのときの気分で変わります。
また、その人の運転マナーや順法精神とも関係があるので、その程度を統一した数値で示すことは難しいですね。
一緒にツーリングをするといろんな場面が出てくるので、自分の回りの人に意見を聞くのが一番正しいかもしれません。




ここでは信号待ちのときのスリ抜けのことを書きます。
よくスリ抜けをする場面は下のようなときです。

① ここで先頭に出ておくと、青になったあと自分のスピードで走れる場面。
これは誰でもやっていることだと思うのですが、ワインディングロードをトロトロと走るクルマがいる場合は前に出ておきます。
やらないと、延々とそのクルマの後ろをゆっくり走ることになります。
どこか直線部分で追い越しをしたりしたら、返ってスピードを上げる結果になってしまい、取り締まりにあったりしたらアホらしいことです。

② 先頭に出ておく方が安全な場面。
片側が2車線以上あるような広い道路では、前に出ておく方が安全です。
前に出られずに大きなトラックの後ろから発進すると、回りの状況が見えにくいし、回りからも見つけてもらいにくく、クルマの影に隠れている危ない状態になることがあります。
それで結局、スリ抜けよりもはるかに多くの労力を使って、それらのクルマを抜いていくことになります。

①②は、スリ抜けの判断材料がかなり「Go!」に近い方に振っている場面です。




ときに迷う場面があります。
その要因は、スリ抜けラインの横幅の有無、スリ抜けたあと停まるスペースの状態、後続する仲間の台数などです。
これをいちいち書くとたいへん長くなるので省略しますが、同じような場面を経験しているライダーの人はほぼ私と同じ気持ちだから、書かなくてもわかるはずです。
私個人的には、「ああ、スリ抜けといたらよかったな。」ということがホンときどきあるぐらいが安全でいいのではないかと思っています。
しかし、あとの交通状態が著しく悪くなって、「しといたらよかった。」とウジウジ後悔することもあります。




ソロツーリングのときはそれでいいのですが、台数の多いときに先頭を走る場合は気を遣いますね。
セオリーは、少人数のときはスリ抜けが多くてもいい、大人数のときは少な目にするということです。
この場合、走り方がだいたいいつも同じなら、後ろの人が走りやすいと感じるでしょう。
いつも一緒の仲間だと自分以外のライダーの考えていることがわかるので、これも走りやすさを作り出す要因になります。

まあこうは言うものの、たまに大集団でクルマの左右を両方使い、前に出た途端にすぐに青になって、轟音とともに爆走していくという、言わば集団暴走型スリ抜けになってしまうときがあります。
60も越えたおっさんがこんな運転をしてちょっと恥ずかしいような気がするのですが・・・、そこは「捕まれへんかったらええや。」となるべくすぐに忘れるようにしています
抜かれるクルマの運転手さん、および世間の方々、どうもスイマセン。
それがカッコいいなどとは思っていませんので、ご容赦を。






オフロードの師匠


このごろ、よく林道ツーリングに出かけています。
知らぬ間にトリッカー歴は13年にも及びますが、その中でダート走行が多いのは最初のころの2~3年と、ここ最近の1年ほどです。
下の画像は左が2007年の梵天山の麓、右は2008年の鍋谷峠です。
2007年の方はいろんなオプション部品が付いていないから、購入して間無しです。
あのころは、いろいろとがんばって走っていたなあ。


2020年11月02日、初期のトリッカー_aa


そのころは家の近所にあるお好み焼き屋のマスターが、私のオフロードの師匠でした。
いろんなバイク(本人曰く、人生計30台ぐらい)に乗ってた人ですが、店の前にはSL230が置いてあり、ときどき2人で近隣のダート道へ行きました。

このオフロードの師匠は、何とオンロードでも速い!
ダート道ではゆっくり走っている私をところどころで待っていてくれるのですが、オンロードでは「はよ、付いてこい!」って感じ。
「おいおい、こんな道でそんなスピード出すなよ。」
「こんなタイヤで、そんなにコーナー切るなよ。」
でも、知らない道をたくさん教えてもらい、たいへんうれしい経験でした。

行ったところは、三国山から葛城山、それから泉佐野市や泉南市の名もなき山道。
あとでそのダート道の入り口に行ってみると、「よーこんなとこ走ったな。一人のときは止めとこう。」というところ多し(ばかり)。



しかし、残念なことに、その方は亡くなってしまいました。
癌で、亡くなる2年ほど前から「オレ、もうじき死ぬんや。」と言っていました。

もっとお好み焼きを食べに行ったらよかった・・・、もっとビール飲みに行ったらよかった・・・。
バイク愛に満ちた気の利いた会話・・・。
ああ、思い出すと合掌・・・。






とっちゃんセロー 見参! 20200922


とっちゃんのセローのお披露目です。
このごろ悪路やダートのツーリングが多いので、とっちゃんがWR250Xをセローにチェンジ。
えっ、回りセローばっかりだぜ。


2020年09月22日、09時08分28秒a


さすが高性能なWRX、ほぼ坊主替えでセローに替わったとのことです。
2016年型って言ってたと思います。

この日はオフ車ツーリングの予定で、もともとはR424の「しらまの里」からR424旧道と白馬林道を通って龍スカ護摩壇山へ。
それから野迫川村の前回行けなかったところをウロウロしようと思っていたのですが、あいにくの天気予報悪化で午後3時ごろから雨になるようでした。
仕方ないので予定縮小。

葛城山頂で涼しい空気を吸ったあとは和歌山県に出て、紀ノ川の河原を少しだけ走りました。
先頭を走っていたけど、後ろ2台がセローなんで、どんな道を行っても気にする必要はなくなりました。
っていうか、悪路走破性からいって、ガレ場でひっくり返ってんのはオレだけ?という感じになってきたなあ。
エンジンとフレームは一緒なんだけど、相手2台はF21インチタイヤと優秀な長いサス。
全然負けてるなあ。
君ら、展開早すぎるんだよ。


2020年09月22日、10時03分34秒a


そうこうしているときに、TMYくんが五條市のトリプルワールドに置いてあるBMWの中古を見に行きたいと言い出しました。
1150RT、彼が以前に乗っていたことのある車種です。
優先すべき先客があったのでちょっと擦った揉んだしましたが、何と商談が成立 !?
彼のZ900RSはドナドナとなりました(お釣りあったそうですが)。
トリプルワールドとは、MachやZ1などのレストアを得意としているお店で、国道沿いにあるのでご存じの方は多いと思います。

それで、このバイク屋さんで、これまたMT-01仲間のフクちゃんと偶然遭遇。
こんな遠くのバイク屋さんで会うか? ビックリです。

身の回りの変化が激しい・・・。






覆面パトカー : その4


いよいよ最終回です。
今まで苦労を重ねていろいろ対策を練ってきたテーマなだけに、思い出すことがたくさんあります。
その中で、面白くてちょっと気の毒だった話を二つほど。




関東からの帰り道、旅の友はMT-01仲間のカノンちゃん。
覆面パトカーを見つけたので、「これ、これ。」とか手振りで合図を送り、彼も「了解。」のサインを返してきました。
2台とも追い越し車線だったので、ゆっくりスピードを落とし、走行車線に入ってパトカーの後ろに付きました。
そのときです。
私たちの後ろにいた追い越し車線を走っているクルマが、猛然とダッシュを開始!
運転しているのは30歳ぐらいの女の人でした。

「あかんよ!ダメだよ!」と心の中で叫びましたが、もう一度そのクルマの前に出て指示を出したりしたら、今度は私たちが捕まります。
悪いけど傍観者に・・・。
当然覆面パトカーもスピードアップ。
・・・・・ このあと、約30秒ぐらい ・・・・・
少し走ったところで、捕り物は終了。
何か悪かったなあ・・・。




名阪国道でヨメさんをハイエースに乗せていたときです。
覆面を見つけたので、その服装とか行動パターンを実物紹介入りでいろいろ説明をしていました。
そのとき、追い越し車線を白いクルマ(車種不詳)がすごいスピードで通り過ぎていきました。
このときも、「アッ、あ・・・・。」と思いましたがどうすることもできず・・・。
当然覆面の方も追撃を開始。
意外とクルマが多かったので、2台は前の方へ行って、姿が見えなくなりました。

・・・・・ そのあと5分ほどして ・・・・・
その覆面パトカーがCB750(K型)をお縄にしていました。
私が見えなかった時間の状況を想像しました。
まず白いクルマは逃げ切ったようです。
スゴいヤツだな。
覆面パトカーの運転手は、「クッソー、逃げられた。ムシャクシャするから、腹いせにバイクでも捕まえてやれ。」と思ったと考えられます。
可哀想なのはCB750くん。
何の罪もない(わけではないが)のになあ。




とまあ、そんな話もありました。
いつもキョロキョロして、覆面じゃないかと何台も確認をしていく作業は面倒くさいものですが、回りに覆面が1台もいないという爽快感は何ものにも代えられません。
ビクビクしなくていい。
気持ちがのびのびする。

こんな話を淡々と書けるのは40年ほど捕まってないからで、捕まったら文章のタッチはだいぶん変わるとは思います。
もっと「恨み辛み」の多い文章になるでしょうね。




この覆面パトカーの記事、今までにたくさんのことを感じながら運転してきたので書くことがいくらでも出てきて、えらく長い長編になってしまいました。
言い換えれば、今までいかに覆面にビビって運転をしてきたかということですが。
この先、「もう一つ、ここにも注意が必要でした。」というこの記事の続編ができないことを望んでいます。


<おわり>






プロフィール

Rip

Author:Rip
性別 男
年齢 戦後生まれ
住所 岸和田市
趣味 バイクほか…
長所 楽しく酒が飲める
短所 判断が自分の好みに片よる

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